2003年5月25日工事

 2003年5月25日に池袋駅立体交差化工事のうち2回目の大掛かりな工事が行われた。 工事日までの工事進展状況と、当日の様子を紹介する。

配線図

↑2002年10月頃の様子

↑2003年5月24日(工事前日)の様子

↓2003年5月25日の工事後の様子

2003年5月25日までの工事進展状況

 立体交差化工事後の埼京線は山手貨物線を抱き込む形となるため、 山手貨物線上にボックスカルバートが建設された。 この用地は2002年5月19日の工事で山手貨物線を単線化したスペースを利用している。 2003年5月25日の工事までに、山手貨物線の上下線用の2つ穴のボックスカルバートが完成している。 池袋大橋から定期的に撮影した写真で完成までの様子を紹介する。


2002年10月27日
2002年5月19日の工事以降、基礎工事などがおこなわれた。 ボックスカルバートは、単線化により空き地となった元山手貨物線下り線部分と、 2002年5月19日の際に埼京線と山手線内回りの入出区線をずらしたことで出来たスペースに建設される。 単線で営業を続ける山手貨物線の部分は立体交差化完了時には埼京線上り線が通る場所なので、 将来的には工事のために場所を開ける必要があるが、 まずはボックスカルバートの箱型構造物を建設することが先になる。


2003年3月8日
ボックスカルバートがほぼ完成し、立体交差化工事完了後の埼京線上り線用の資材と思われるものが現れた。 立体交差化工事完了後の埼京線上り線は山手貨物線の上を越す形になるため、 池袋大橋(撮影している地点)のあたりから急勾配でボックスカルバートを越すことになる。


2003年4月21日
ボックスカルバートへと架かる橋の資材が置かれている。 以前の入出区線の橋の上に暫定的に置いてある状態。 今後は以前の橋を撤去して、新しい橋を据え付ける。

線路切り替えの様子

 2003年5月25日の工事は、線路の切り替えが主な工事内容である。 池袋駅北側の山手貨物線単線区間は、工事日までに完成したボックスカルバートの中を通るようになる。 また、池袋駅南側の平面交差部分では、立体交差化工事完了時の配線に変更された。


六ツ又歩道橋から見た様子 (2003/5/25)
今までは池袋側の上り線と大塚側の下り線を結ぶ形で単線が形成されていたが、 今回の切り替えでは下り線だけで単線を形成するようになった。 これにより、山手貨物線は工事日までに建設されたボックスカルバートを通るようになった。 この線路切り替えで、以前ボックスカルバートの横を通っていた山手貨物線のスペースが空き、 立体交差化工事完了時の埼京線上り線が通る部分の建設が行われることになる。


池袋駅5番線から見た様子 (2003/5/25)
山手貨物線の池袋付近ではルート変更による線路切り替えが行われた。 予想以上にすっきりとした配線になり(配線図を参照)、 駅進入速度が若干速くなったような気もする。


池袋駅メトロポリタン口のデッキから見た様子 (2003/5/25)
池袋駅南側の配線を大幅に変更。 最も多くの作業員が動員された(そのため写真では線路がどうなっているかが確認できません)。 この写真は南側のほんの一部であり、実際はこれ以上の作業員が工事に携わっていました。 工事は長崎道踏切付近まで行われており、当日は長崎道踏切は封鎖されていました。 この線路切り替えで、駅南側は立体交差化完了時の配線となる。

代行バス・板橋駅・池袋運転区

 工事中は前回の工事(2002年5月19日)と同様に、埼京線が恵比寿−赤羽間で運休し、赤羽以北のみの運転となった。 また、湘南新宿ラインは東海道・横須賀線の列車は新宿発着に変更、 宇都宮・高崎線の列車は上野発着(一部大宮発着)に変更、特急列車は運転区間を変更した。
 埼京線運休区間のうち特に交通の便が悪くなる板橋・十条・赤羽の相互利用には、 国際興業バスによる代行バスが運行された。


板橋駅西口ロータリー (2003/5/25)
前回の工事の時と同様に今回も約40台のバスが使用されました。 今回も他の営業所からの応援バスもありました。


板橋駅西口 (2003/5/25)
7:30頃の様子です。 日曜日の朝であっても、 普段なら都営地下鉄三田線(新板橋駅)との乗り換え客などで賑わっているのですが、 この日は振り替え輸送の案内に付くJR職員の数の方が多い状態でした。


板橋駅東口 (2003/5/25)
7:35頃の様子です。 西口に比べ普段から利用客が少なめの東口ですが、この日はさらに少なくなっています。 なお、この東口から代行バスのバス停のある西口へは駅の中を通って行くことが出来ます (ホームへ続く階段は立ち入り禁止です)。


池袋運転区 (2003/5/25・富士見橋)
左から川20編成(7番線)、川8編成(8番線)、川9編成(9番線)、 川22編成(12番線)、川4編成(17番線)の5本が出庫せずに待機しています。 7番線の川20編成はE231系500番台の陰になっているので写真では確認しづらいです。 このほか、新宿駅留置であった川3編成は田町電車区へ疎開、 大崎駅留置であった川6編成は01運行としてりんかい線内運用に就きました。

池袋-新宿間のATCバックアップ廃止

 工事前までは池袋-新宿間(ATS-P)を走行する埼京線はATCバックアップを使用し、 車内信号を見て運転していました。 工事後は同区間のATCバックアップの使用が中止され、信号機の現示を見て走行するようになりました。



最終更新日:2006/2/25